クズって魅力的ですよね。ほんっとにダメ男でどうしようもなければ、そもそも付き合うとか、好きになるにも至らないと思うんですけど、「好きになっちゃいけないってわかってるのに!全然愛されてる実感もないのに!幸せになれないのに!でもいいところがあるの!!なぜかどんどん好きになっちゃう!!!!」という具合にあっという間にドロ沼恋愛。
こうして泥にハマらせるようなクズって、あらがえない魅力があるんですよね。これを読んでるあなたもそんなクズに心を奪われていると思うんです。
なんてったってタイトルは「クズ男を唯一惚れさせる方法」あんなに誰のものにもならないクズ。人を愛すことを知っているか?と説教たれ込みたくなるクズ。洗面所とおふろ場に女が使うものでしかないグッズがたくさん置いてあるクズ。
そんなクズが私ごときにハマるかって思うよね?
ただね、クズにも「こいつしか俺を救えないかもしれない」って思う女はいるのよ。
「こいつしか俺を救えないかもしれない」ってセリフに注目してほしい。そう、誰よりも自分のことをクズと自覚しているのは、だれでもない本人。自分のいい加減さ、愛情の薄さ、魅力的な女の子がやってきてはあきれて去っていく、そんな出会いと切ない別れに、本人も辟易としている。
ただしここはクズ。そんな自分を直そうとはしていない。むしろ辟易しながらも、めちゃくちゃ酔っている。「俺ってなんでこんなに女の子をはまらせてしまうんだろう。そしてなぜ期待に答えられないんだ。罪な存在だな…」と考えた0.2秒後には「次はどんな女の子と出会えるかしら」と考えている。
ここで気づいて欲しいのは、クズの原動力はセックスでしかない。普通は、人は出会って別れることを繰り返そうとしない。基本的にその行動って面倒くさいものだから。相手が自分のことを好きになれば、もう傷つけるのが目に見えている。だって大事にできないんだもん。
だから彼らはなるべく約束をしないで、関係を続けようとする。もしくはその場しのぎのペラペラの関係性を結ぶのだ。
それでもその面倒なくりかえしをやめられないのは、新しい女の子との情事が何より楽しいから。そして、セックスだけじゃなく、相手が自分に心からハマっていることにも自尊心が満たされているから。だから自分を好きにさせる言動はしっかりしてくる。ここまでわかっているのに、あなたはまだクズが好き?もう!しょうがないわね!
まずね、はっきりさせておかないといけないのは、クズにも救えるクズと、救われないクズがいるってこと。最初から言ってしまえば“救えないクズ“を惚れさせることはできない。救えないクズというのは「人類全般に愛のないクズ」。本当のサイコパスね。これについてはもう論外。関わっちゃいけないし、関わったらその後の人生ずっと大凶。ダメオブダメ。
いっぽう救えるクズというのは、根っこに「ピュアな愛」のあるやつ。ペットや同性の友達のことは大事にしていて、どこかで信じ切れる愛を探していて、損得勘定のない関係をどこかでは築くことができている、クズ。
まあいい子ちゃんたちがハマるクズはここら辺だと思うの。そういう見直せる部分があるから好きだと思うのね。
それが自分にもむけられる奇跡があるんじゃないかって探しちゃうから、ドロ沼にハマるんだけど…。そんなクズを唯一惚れさせる方法。それが「愛しはするが惚れはしない」ってこと。
ここで言う惚れるとは「盲目になること」といたしましょう。一方で愛すと言うことは「全てを受け入れる」といたしましょう。なにが違うかと言うと、惚れてる子はこう。
つまりクズを信じ、惚れた負けを認め甘やかし、いつかは自分に振り向いてくれるかもしれないと期待し、好意を抱き続けること。そして改心することを期待して、そのために自分が彼のダメなところを支えようとする。
一方で愛す女はこうクズのいいところ悪いところ全てひっくるめて愛す。彼に変わることは求めない。
自分に振り向いてもらうことも求めない。信じられるか信じられないかはどうでもいい。ただ自分が彼を好きでいることを楽しむ。愛す女は彼が変わらないことを知っている。だから支えもしない。それが彼にとって余計なお世話であることを知っているから。
惚れてる女というのはクズのために自分の人生を捧げようとする。クズはそんなことをいちばん求めていない。クズといえば誰より「ひとりで生きて行こう」としている。寂しがり屋のくせに孤独を好む。だからそこにグリグリと入り込んでくる女はいちばん苦手だ。
女の子の人生を背負えないことなんて誰より自分がわかっている。だからこそいつも「責任は取れないよ」というメッセージを、告白しないだとか、先の約束をしないだとか、クズエピソードをペラペラと話すことで伝えているのに、それを受け入れようとしないなんておバカさんだ。実際にクズはそんな女の子をバカにしだす。本当最低だけど、これには私も同意してしまう。
バカにした女を男は一生本命にはしない。それは悲しき事実。
いっぽうで愛する女は、クズな彼のことをまるっと受け入れて愛している。だからまるで期待していない。クズを受け入れるというのは「彼らがひとりで生きて行こうとしている決意」を受け入れることであり、「2人で生きていく幸せを見させてあげる」なんてのは超超超わがままな話だから。
それを理解して、尊重できる女が、唯一クズと対等に渡り合える。彼とふたりで歩む未来を見ずに、「今私が彼を好きでいることが幸せなの」と割り切っている。つまりクズを愛することができる女というのは、クズが自分のことを好きだろうが好きでなかろうが、幸せでいれる女なのだ。
なにが自分を幸せにしているのかはそれぞれだけど、彼女たちはいつでも自分を幸せにできる「切り札」を常に持っている。だから自分の幸せを、クズにはもちろん誰にも握らせていない。自分で幸せになることができる。
そんな女にクズは尊敬を抱くようになり、一緒に共存できるんじゃないかと希望をもつのです。
そして私は知っている。クズがひとりの女にハマったとき、誰よりもその女の子に従順になることを。でもまた最後に念を押しておく。
それでもクズは、一生クズ!!!!